精密高分子による次世代医薬開拓精密高分子による次世代医薬開拓

Scroll

精密高分子医薬という「新たな学術領域」の創出と

「次世代の創薬モダリティ」を実現します。

Project Outline

領域について 精密高分子による次世代医薬開拓

バイオ医薬品の価格の高騰やアンメットメディカルニーズへの対応から新規な創薬モダリティの創出が求められています。合成高分子は種々のモノマーを共重合するだけで無限の多様性を有する化合物ライブラリーを容易に構築可能であるため、次世代医薬として有望です。しかし、合成高分子の分子量やモノマー配列の制御は難しく、再現性良く均質な化合物を生産することが難しいため、医薬品として実用化された例は殆どありませんでした。

最近、高分子の重合技術や精製技術が急速に進歩し、分子量や配列が完全に規定された様々な高分子『精密高分子』を合成できるようになりました。本技術を進化させることでこれまで不可能と思われてきた高分子医薬を実現できる可能性があります。本学術変革領域では、急速に発展している高分子合成分野の研究者と、指向性分子進化法、インシリコ創薬等の創薬分野の研究者が協同し、技術を進化、融合することで精密高分子医薬という新たな学術領域を創出することを目指しています。同時に、精密高分子医薬という次世代の創薬モダリティを実現します。

星野 友 領域代表

星野 友
領域代表

Research Groups

研究体制

精密高分子の合成

合成技術

  • 新規重合法
  • 自動合成
  • 並列合成
  • 固相合成
  • 並列合成
  • トポロジ制御
  • コンビケム
  • DCL

構造解析技術

  • 配列分析
  • 立体構造分析
  • NMR、MS
  • 分光/結晶解析

分離精製技術

  • クロマト
  • 自動分析技術

詳細はこちら

進化システム開発

スクリーニング・
解析技術

  • ライブラリーのタグ標識
  • マイクロアレー化研究
  • 相互作用解析技術

データサイエンス

  • 構造活性データベース構築
  • 分子動力学計算
  • AIによる分子進化

詳細はこちら

生体分子の共進化

高分子認識アプタマー

  • ファージディスプレー
  • SELEX
  • in vitroスクリーニング

高分子認識抗体

  • 動物免疫

詳細はこちら

精密高分子医薬応用

POC・臨床研究

  • がん
  • 敗血症
  • 免疫疾患
  • 感染症
  • 糖尿病

高分子認識抗体

  • 体内動態
  • 毒性・安全性
  • リポソーム

製剤/品質管理

  • 構造・サイズ

詳細はこちら

計画班 A01
精密高分子の合成

精密高分子からなる医薬品を開発するためには、莫大な多様性を有する高分子化合物のライブラリーを構築すると同時にライブラリーから選抜された高分子化合物を再現性良く精密合成する技術の開発が必要不可欠です。A01班では、多様な構造を有する高分子のライブラリおよび目的の構造を有する精密高分子を再現性良く合成する手法の開発を目指します。また、 A02班、 A03班と連携してライブラリーの中から効率よく高い生理活性を有する高分子を選抜する手法を開発し、A04班と連携して同候補分子の in vitro / in vivo における機能を評価して、精密高分子医薬の実現に貢献します。

星野 友 九州大学

星野 友
九州大学

分子構造図3

分子構造図4

分子構造図5

計画班 A02
精密高分子進化システムの開発

精密高分子は、次世代の薬剤分子として非常に魅力的な新規モダリティです。精密高分子の薬剤分子としての可能性や潜在能力を明確化・最大化するため、A02班では、精密高分子群をライブラリーとして用いる新しい分子進化工学的手法”精密高分子進化システム”を実証・構築することを目指します。また、分子認識型核酸(アプタマー)と精密高分子からなる新規コンジュゲート分子の設計に挑戦し、A01、A02、A03班と連携して同コンジュゲート分子の in vitro / in vivo における機能評価を積極的に行うことで、精密高分子医薬の実現に貢献します。

吉本 敬太郎 東京大学

吉本 敬太郎
東京大学

分子構造図6

計画班 A03
精密高分子に高親和性をもつ生体分子の共進化システムの開発

精密高分子からなる医薬品を実現するためには、精密高分子が生体分子に対して発揮しうる親和性や特異性を明らかにすることが必要不可欠です。そこでA03班では、A01班ならびにA02班によって分子認識能を最適化された精密高分子に対して、さらなる高親和性を発現するように生体分子側の配列や構造を進化(最適化)させます。高い親和性と特異性を併せもつ精密高分子・生体高分子の組み合わせを多数同定し、得られる複合体の構造を解析することにより、精密高分子の標的分子認識機構を明らかにします。また、BLAST等を利用して精密高分子が標的とすべき疾病関連分子を見出し、A04班と共に精密高分子医薬の実現に貢献します

澤田 敏樹 東京工業大学

澤田 敏樹
東京工業大学

分子構造図7

計画班 A04
精密高分子医用応用

高分子構造の不均一性は、薬剤として性能低下の原因となるだけでなく、重篤な副作用の原因ともなります。そのため、配列と鎖長が均一化された精密高分子は、安全性の高い合成材料として創薬への応用が期待されています。しかし、精密高分子の医用応用には、標的との親和性と静脈内投与後の血中滞留時間を延長させる必要があります。A04班では、A01班、A02班、A03班がスクリーニングした精密高分子を薬物送達キャリアである脂質ナノ粒子(LNP)に搭載し、精密高分子の標的親和性と血中滞留性を向上させることで、精密高分子の医用応用実現に貢献します。

小出 裕之 静岡県立大学

小出 裕之
静岡県立大学

分子構造図8

分子構造図9

Activities

活動報告

一覧へ

2023.10.16 論文発表

A04班とA01班の『プラスチック抗体を用いた脳虚血再灌流障害治療』に関する論文が J Am Chem Soc誌に掲載されました。

2023.10.10 お知らせ

日本化学会秋季事業 第13回 CSJ化学フェスタ2023コラボレーション企画にて学術変革領域研究(B)による特別企画を開催します。

2023.08.25 論文発表

A01班の『標的タンパク質との相互作用制御に向けた糖鎖高分子の設計』に関する総説が Chemistry—An Asian Journal 誌に受理されました。

2023.07.31 論文発表

A02班の研究成果が Molecular Therapy - Nucleic Acids 誌に受理されました。

2023.07.26 お知らせ

A02班が Nucleic Acids Resrarch 誌で明らかにしたトロンビンアプタマー(M08s-1)の構造が、Protein Data Bankで公開になりました(ID: 8BW5)。

2023.07.18 論文発表

A02班の『核酸アプタマーがもつ史上最高の抗血液凝固活性の解明』に関する研究成果が Nucleic Acids Research 誌に受理されました。

2023.07.13 論文発表

A01班の『細胞の凍結保護効果に関する合成高分子の一斉スクリーニング』に関する研究成果が Material Advances 誌に受理されました。

2023.04.25 論文発表

A01班の『精密合成高分子の分子内収縮による運動性の制御』に関する研究成果がACS Macro Lett. 誌に受理されました。

2023.04.13 お知らせ

3月3日に実施された学術変革領域(B)「糖化学ノックイン」と共催で実施した「生体適合化学の進歩」インタラクティブフォーラム(ABC-InFO)でのA04班小出裕之の講演動画がYouTubeのケムステチャンネルにアップロードされました。

2023.04.13 お知らせ

3月3日に実施された学術変革領域(B)「糖化学ノックイン」と共催で実施した「生体適合化学の進歩」インタラクティブフォーラム(ABC-InFO)での本領域の説明動画がYouTubeのケムステチャンネルにアップロードされました。

2023.10.10 お知らせ

日本化学会秋季事業 第13回 CSJ化学フェスタ2023コラボレーション企画にて学術変革領域研究(B)による特別企画を開催します。

2023.07.26 お知らせ

A02班が Nucleic Acids Resrarch 誌で明らかにしたトロンビンアプタマー(M08s-1)の構造が、Protein Data Bankで公開になりました(ID: 8BW5)。

2023.04.13 お知らせ

3月3日に実施された学術変革領域(B)「糖化学ノックイン」と共催で実施した「生体適合化学の進歩」インタラクティブフォーラム(ABC-InFO)でのA04班小出裕之の講演動画がYouTubeのケムステチャンネルにアップロードされました。

2023.04.13 お知らせ

3月3日に実施された学術変革領域(B)「糖化学ノックイン」と共催で実施した「生体適合化学の進歩」インタラクティブフォーラム(ABC-InFO)での本領域の説明動画がYouTubeのケムステチャンネルにアップロードされました。

2023.02.20 お知らせ

2月20日に本領域の第1回公開シンポジウムを東京大学駒場Iキャンパスにて開催いたします。

2023.02.17 お知らせ

3月3日に学術変革領域 (B)「糖化学ノックイン」と共催で、「生体適合化学の進歩」インタラクティブフォーラム(ABC-InFO)において、A04班の小出裕之がオンライン講演します。

2023.02.15 お知らせ

A02班の東京大学吉本敬太郎の記事「核酸アプタマーの伝道師」が医薬経済に掲載されました。

2023.01.19 お知らせ

A02班の研究成果「バイスペシフィックアプタマーを用いる抗体に依存しない抗がん剤検出法の開発」が東京大学のウェブ上でプレスリリースされました。

2022.11.08 お知らせ

ナノ・バイオメディカル学会と共催し、第17回ナノ・バイオメディカル学会大会で本領域のシンポジウムを開催しました。

2022.08.09 お知らせ

日本分析化学会 バイオ分析研究懇談会と共催で第10回Chem-Bio Joint Seminar 2022を開催しました。

2023.10.16 論文発表

A04班とA01班の『プラスチック抗体を用いた脳虚血再灌流障害治療』に関する論文が J Am Chem Soc誌に掲載されました。

2023.08.25 論文発表

A01班の『標的タンパク質との相互作用制御に向けた糖鎖高分子の設計』に関する総説が Chemistry—An Asian Journal 誌に受理されました。

2023.07.31 論文発表

A02班の研究成果が Molecular Therapy - Nucleic Acids 誌に受理されました。

2023.07.18 論文発表

A02班の『核酸アプタマーがもつ史上最高の抗血液凝固活性の解明』に関する研究成果が Nucleic Acids Research 誌に受理されました。

2023.07.13 論文発表

A01班の『細胞の凍結保護効果に関する合成高分子の一斉スクリーニング』に関する研究成果が Material Advances 誌に受理されました。

2023.04.25 論文発表

A01班の『精密合成高分子の分子内収縮による運動性の制御』に関する研究成果がACS Macro Lett. 誌に受理されました。

2023.02.13 論文発表

A04班とA01班の研究成果が Journal of Controlled Release 誌に受理されました。

2022.11.21 論文発表

A02班の『バイスペシフィックアプタマーを用いる抗体に依存しない抗がん剤検出法の開発』に関する研究成果がAnalytical Chemistry誌に受理されました。

2022.09.12 論文発表

A02班の『四重鎖核酸におけるGカルテット形成グアニンの同定法』に関する研究成果がAnalytical Biocheistry誌に受理されました。

2022.09.09 論文発表

A01班の研究成果がPolymer Chemistry誌に受理されました。

『学会発表』 現在、ニュースはありません。

一覧へ